Dragon Island

日々是修行。

最近読んだ本の話3

こんにちは。
いろはすの梨味が出たので早速買ったのに、なんだかんだで昨日飲み損なって、今日に持ち越したKei Alexです。
サッパリしていて好きだ。

水彩&魅力優先繋がりの本についてお題「読書感想文」です。
3冊まとめてご紹介。

描け、表現のすべてをここに置いてきた

って、まるで某大海賊の財宝みたいな本w(※個人の感想です)

魅せる水彩風景スケッチ

魅せる水彩風景スケッチ

 

冒頭からカッ飛ばしている印象があり、初心者はスタートダッシュで出遅れるかもしれません
どこまで行っても離されて、モヤッとした気持ちを抱えたまま、それでも走り続けていると、ゴール付近でようやく初心者が待ち望んでいただろう、道具の紹介や、作業風景や、混色の配分や、塩を使う表現の手ほどきが始まります。
多くの技法書と構成が逆転しているんですよね(笑)。
※初心者向けとは謳っていません。

そして内容がめっちゃ濃い(笑)。

プロのアイデアがわかりやすい

初心者・入門者の方は真っ先に最後の章を読むとして。
本書はイの一番に「絵は自由な気持ちで」と始まります。
見たままを素直に描くのも良いですが、絵の良いところは物理的に動かせないものも自在に動かせるところです。
そして、それが許される世界だと著者は言っています。

僕もこの考えには大賛成で、絵を描く楽しみってそこだよなと思います。
何も、建物の形を(魔)改造したり、順序を入れ替えたりするわけではありません。
目の前の景色や特定の建物などを、「良いな」感じる気持ちが大前提にあって、その「良いな」を表現するにはどうしたらいいだろう、という発想で描くのです。

そんなドラマチックな表現のアイデアが30種類詰め込まれています。
どれも、何がどんな効果を生むのか説明されています。それも、現在の技術レベルに関係なく、すぐに取り入れられるものばかりです。

この手のものは考え方の問題なので、著者や画材が違っても共通します。

絵描きの見ている世界ではない

絵は、描いた人の視界を再現したものではありません。
現場に無いものを描いたり、実際と違う色を使った場合、見る人(描かない人含む)は、作者の目にはそう見えるのか、と思うのではないでしょうか。
少なくとも、僕はそう思っていました。その「眼」(=感覚)が欲しいと思ったこともあります。

ですが多くの絵描きは、見る人と大差ない眼球と視神経と脳機能を持っていて、茶色のものは茶色に見えるし、電線も見えているし、曇り空は灰色です。
魔法も超能力も、たぶん持っていません(笑)。
ただ、魔法や超能力みたいな手品なら知っています。
それが「創作」です。

でもさすがに、「曇りの日で陰影が薄くても、濃く描けばOKさ☆」という発想には驚きました(笑)。

初心者にはこちらがオススメ

水彩スケッチがもっと魅力的になるプロのワザ

水彩スケッチがもっと魅力的になるプロのワザ

 

僕が読んだ感触ですが、こちらの方が初心者に伝わりやすいと感じました。

この本の大きな特徴は、選択肢が提示され、それを自分で選ぶ構成になっていることです。レストランで肉の焼き加減や付け合わせを選んでる感じ(笑)。
例えば、絵の具をメインにするか、線の描き込みをメインにするか、それともタッグで行くか。
どの方法も違った魅力があって甲乙つけがたいので、好きなものを選んでくださいというスタイル。
それぞれどんな印象になるのか、実例を添えた解説は、まんまプレゼンテーションです。

画面の構成やメリハリ、創作などの要点は他の本とほぼ同じです。(採用している技術や色が違うだけ)

魅力を優先するとこんなに変わる実例集

 

くらべてわかる水彩 風景の描き方 写真・現場スケッチ・作品制作

くらべてわかる水彩 風景の描き方 写真・現場スケッチ・作品制作

 

最後は、作例と現場のスナップを比較して、絵というのはこうやって描けばいいんだよと教えるスタイルの技法書。
これぐらい誇張して良いんだって、わかりやすいです(笑)。

メイキングは比較しやすいように、写真と同じ構図で描いています。誇張や省略といった基本的な手法はもちろんですが、なにより色が違います(笑)。
Amazonで確認できる範囲では、例えば電車はオレンジで描かれていますが、写真では朱色(赤っぽい)です。夕景なのでオレンジを使っています。

著者は、色の扱いが物凄く上手い人だと思いました。伝わりやすいという意味で。
コントラストの表現はもちろんですが、情緒的な演出が上手

最初の2冊や、前回までの記事で紹介した本とは、基本的なコンセプトが違うものの、これも「自由に描く」「魅力的に見せる」良い実例だと思いますので、一緒に紹介しました。


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