こんにちは。
絵は勉強すればするほど、練習すればするほど、巨大な迷路に迷い込む一方だと感じるKei Alexです。
今回は色の勉強の話を書くのですが、いくつもの要素が化学反応を起こして別の物質になるみたいなことなので、ちょっとややこしいかもしれません。
僕のスペック
「美味しそうなリンゴ」を表現するために、何の疑いもなく「青」を選ぶ。
僕はそういうタイプでした。
当然、周りは「なんで!?」って驚く。それに対して僕は「青が好きだから」って、変化球どころかボークを繰り出す始末。
この流れ、わかりますかね?(笑)
目的であるはずの「美味しそうなリンゴ」に対して、全く無関係な「自分が好きな色」をぶつけているから、齟齬が起こっているわけです。
別の喩えをするなら、麻婆豆腐を作るからトウガラシをくれって言ったのに、これだって辛みは出るよってワサビを渡すようなもの。
少し前まで、僕はここのところを全く理解していなかったし、今も理解しているというよりはそういうルールだからと割り切っているのに近い状態です。
色彩の勉強
致命的な齟齬に無自覚だった僕は、理解不能からくる苛立ちを抱えて、配色デザインのコーナーを彷徨い歩きました。
そこで見つけたのがこちら。
7日間でマスターする配色基礎講座 (DESIGN BEGINNER SERIES)
- 作者: 内田広由紀
- 出版社/メーカー: 視覚デザイン研究所
- 発売日: 2000/04/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 21人 クリック: 381回
- この商品を含むブログ (18件) を見る
ここで色と心理の関係を知って、やっと「美味しそうなリンゴ」を「青」で描いてはいけない理由を理解しました。
色と心理の関係は無意識に知っていたはずなんですが、意識したことがなかったから、いい勉強になりました。
それから、イメージパレットを収集して、オーソドックスな表現ができるように準備しました。
※当時はまだ、模範解答の根拠にするためや、印象を意図的にコントロールする目的しかなかったけど。
↑僕が購入した本の一例です。
表現としての色選び
巨匠に学ぶ配色の基本―名画はなぜ名画なのか? (リトルキュレーターシリーズ)
- 作者: 内田広由紀
- 出版社/メーカー: 視覚デザイン研究所
- 発売日: 2009/02/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 33回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
こちらで紹介した『構図の基本』と同じシリーズ。
(記事執筆当時)理論的に解説した本が冗談抜きで少なくて、多くの人が感覚的にやっていて説明できないのかと思ってしまいます。それこそ魔法の手か目を持っているような(笑)。
僕は自分の美的感覚や価値観をまったく信用していないので、何か手掛かりが欲しくなって、色んな本やサイトを読み漁りました。
技法書も水彩が多かったけど、大先輩たちがどういう考えに基づいてやっているのか、垣間見えて震えるときがあります。
水彩に偏りがちだったのは、自分がやりたかったのはもちろん、一番色作りの作業をしやすい画材だと思ったからです。
このあたりで、表現として色を扱うときと、デザインとして色を選ぶ場合とでは、アプローチの仕方が全然違う気がすると感じ始めました。
そういえば、初心者がよく陥る問題に「なに色を使ったらいいかわからない」というものがあります。(僕だけでなく、同じ問題に悩む人によく遭遇しました)
例えば、緑と言っても、青に近いものから黄色に近いものまであり、明るいものから暗いものまであり、鮮やかなものからくすんだものまであります。
画材店に行けば、それぞれ別の商品として売られていて、多ければ多いほど判断に困って選べなくなる……。
さらに色問題においては、「Aという画家は黒を使っちゃいかんと言い、Bという画家は黒も使っていいと言う。どっちが正しいの?」も併発します。
ここで仮に「黒は死んだ色だから」とか説明したところで理解できるわけもなく、絵画業界には「黒禁止令」があるのだと解釈してしまうかもしれません。(僕はしたw)
実は、どちらの問題も解決する方法は簡単で、自分が表現したいものを先に決めてしまうことです。
明るい雰囲気にしたいなら、くすんだ色や暗い色は除外できるだろうし、黒々と描きたければ黒を採用せねばと思うだろう、という判断のしかたです。
でも、よほど描き慣れた人でない限り、そこまで考え至らないんですよね(笑)。
見る、調べる、真似する、考える
色についても結局ここに行きつくので、泣くしかない。
それでも意識しながらいくつかやると、手掛かりらしきものの端っこを、掠めたんじゃないかと思う瞬間があります。
みんなそうやって、少しずつ手繰り寄せて現在のところに辿りついたんだろうなと想像はしますが、自分のお絵かき歴を考えると、死ぬまでに辿りつけるんだろうかと途方に暮れてしまいます(笑)。
そんなわけで、色彩心理や配色パターンなんかを織り交ぜて、無難な所からやってみます。
おまけ
これこのように「色」に関して何一つ自信を持てなかったので、少し前に色彩検定(3級)を受けました。
予備知識があったので、専門用語や試験問題に慣れるぐらいで合格できました。勉強期間は賞味10日間ぐらい。
つらいのは、試験当日が雨で、会場が黄色っぽい蛍光灯を使ってて、その条件下で印刷された色を判断しなければいけなかったことです。
ただでさえ茶系に弱くて、ものによって赤紫っぽく見えるため、蛍光灯の下ではしんどかったです。
あと、手持ちの画材で色の名前を憶えてしまうと、公式の色とズレが生じて失敗します(笑)。配点は低いのが救いでした(笑)。
色彩検定はカラーコーディネーターよりも簡単だと言われているので、気軽に受けるのに良いかもしれません。
必ず合格! 色彩検定3級 公式テキスト解説&問題集 2018年度版
- 作者: 株式会社ウイリング,前田明美
- 出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション
- 発売日: 2017/03/09
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る