こんにちは。
「お勧め書籍」として漫画を挙げるなんて、夢にも思わなかったKei Alexです。
話題の作品だから、知っている人は多いかもしれません。
モディリアーニにお願い 1 (ビッグ コミックス) (ビッグコミックス)
- 作者: 相澤いくえ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/10/28
- メディア: コミック
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一生懸命、頑張る人への応援歌
この作品を読むのは正直言って抵抗がありました。
Twitterなどで垣間見える、先生の表現が真っ直ぐすぎて、エクスカリバーで両断されるような印象だったので、僕みたいな不真面目でズルイ人間は、再起不能になるんじゃないかと。
ですが、ふたを開けてみれば、なんてことはない、一生懸命頑張っているけど、なんだか上手くいかない人たちへの、応援歌でした。
創作活動をしている人が遭遇しがちな、様々な理不尽を、ときに真面目に、ときに大胆に、乗り越える物語です。
彼らが理不尽だと思うのを理解できる一方で、そういう風に見えることは確かにあって、もしも逆の立場なら相手のように思うかもしれないと、なんとも背筋がザワザワしました。
実際、「震災」に関わるエピソードは、被災して大切なものをなくした側と、なくさずに済んだ側との、両方が描かれています。
とても丁寧だと思ったのは、この作品はずっと「相手のことを考える」に視線が向いていて、自分が傷ついたり悩んだりするのは、全部、相手のことを看過できないからなんですよ。
それを、僕の作文では伝えきれないから、読んでください(笑)。
創作活動あるある
恥ずかしながら、こういう形で絵や文字にしてもらって、初めて気づくこともありました。
美大に行ったことがない僕ですら過去に何度も遭遇し、そのたびに上手く説明できなくて奥歯を噛んだことが取り上げられていて、しかも、上手に説明されていました。
説明って、相手のことを考えていないとできないんですよ。どれぐらいなら伝わるか、適切な量と難易度で言葉を選ばないといけませんから。
何かアクシデントに見舞われたとき、同じ立場で一緒に考えてくれたり、上手い方法を教えてくれたり、自分が間違っている場合はそれを諭してくれる人は、たぶん、創作活動をしているコミュニティにしかいないです。
大勢いる中の1人か2人の、ごく限られた、親しい人や熱心な人が、ヒントをくれたりするので、そもそも母数が多い「美大」は、やはり特別な場所なんだろうと思います。
僕が好きなエピソード
全部好きなんですが(笑)、震災に関するエピソードで、2つ。
ひとつは、本吉(髪の毛がプリンになってる人)が、後輩に復讐するためだけに県展に出展した話。
もう一つは、千葉(赤い作業着の人)が、空間を海中に見立てて表現した作品が、「津波を思い出す」と言う理由で撤去することになった話。
どちらもオチが、すごく良いんです。(言わないよ!笑)
読んで(笑)
好き嫌いはあるかもしれません。
表現に関しても、お話に関しても。
でも僕はこれでも、創作活動をしている人間なので、とても共感したし、刺さりました。
2巻の時点で時間軸が大学3年生ということもあって、そんなに長く続かないかもしれませんが、もしも、気になりつつ、迷っている人がいるなら、お勧めしたい漫画です。